恩の押し売りと親切の差はどこにある

親切心との境界線

恩の押し売り

これもよく聞く言葉ですが、親切心との境界線は
どこにあるのでしょうか?

それは別ページで書いている
見返りを求める大きさがストレスの大きさ
で書いていることが関係しているのではないでしょうか?

特に上司と呼ばれるポジションにいる方などには読んでいただきたいのですが
私も少なからず世間的に部下と呼ばれるポジションの人たちを
ご飯に連れて行ったり、色々な相談に乗ってきたりしました。

しかし、そこまでした人たちも、辞めるときはあっさり会社を辞めていきます。

もちろん家庭事情など理由は人それぞれでしょうが、ある日突然来なくなる人までいます。

「無断欠勤」からの退社ですね。

もちろん、何があったんだろう?と心配な部分はあります。

しかし、その辞め方がひどいなと感じたとき、ふと思う事があるわけです。

「あんなにしてやったのに・・」

ここで若いころを思い出し、この気持ち自体が恩の押し売りであるかもしれないと思うのです。

昔、上司によく食事に連れて行っていただきました。

しかし私は、食にほとんど興味がありません。

もちろんマズいご飯は嫌ですが
何時間もかけて評判の店に行き
長時間並んでまで食べる
というのは理解が出来ないのです。

私のそんな気持ちの会話を何度も一緒にしている上司は
当然私が「食」に興味がないことを知っています。

その上で私を時間をかけてご飯に連れて行ってくれました。

食に興味のないと知っているうえで私のプライベートの時間をつぶされてまで呼ばれ、長時間かけておいしいご飯を食べさせてくれる。

正直私は「嫌がらせか?」とさえ思いました。

しかも真剣に・・・

それが私を思ってやってくれた事なのかもしれないと想い始め
感謝の気持ち(全てではないですが)に変わるまでに数年はかかりました。

そしてそれに気付いた時にはすでにその人と一緒に仕事はしていませんでした。

今思うと、お金と時間を使って私にいろいろしてくれたことにまったく感謝をしていなかった自分、人をごはんに連れていく今となっては気持ちもわかります・・反省しましたね。

ただ、感謝の気持ちも湧きましたが、自分がやるならわざわざ相手の嫌がることはしない、とも思ったのも事実です。

もしその人が、人の嫌がることを「してやってる感」でやっているとしたらこれは最悪のパターンですね。

やはり「してあげる」という言葉
相手が望んでいること、喜ぶことが最低条件ではないでしょうか?
(教育というテーマだとこれは当てはまりませんが)

良かれと思ってやっていても、実は相手にとってストレスかもしれません。

これはこのサイトのメインテーマとも言える「人の心を読む」につながるわけです。

今回のケースで言えば
食事やお酒はコミュニケーションには必要なツールだとは思うので
それ自体はよいと思います。

ただ、近所の居酒屋、定食屋で上司から仕事の話をされても
私はここまでストレスは感じなかったでしょう。

「並ぶこと」や「食事」がストレス、というよりは
自分が嫌だと知っているはずなのに
それをされているというストレスが大きかったと思います。

そして、「ちょっと付き合ってくれないか?」など言われていたら
全然違う感じ方になっていたでしょう。

それほどストレスは感じないはずです。

随所に「連れて行ってやってる感」を感じたので
大きなストレスだったと思います。

つまり、食事そのものではなく

相手の態度

が問題なのだと思います。

パワーバランスによる言葉を真に受けない

これは対等な関係の1対1であれば比較的考えやすいのですが
上下関係があったり、複数対1人だと問題が起こりやすいので
気をつけなくてはいけないという例です。

例えば、10人で楽しくやっている何かの会に
誰かを誘うとします。

10人が楽しいから、あの人も楽しいはず、と決めつけることが多いんです。

それを本人が嫌がると、「社交的でない」と判断されたりもします。

確かに社交的ではないかもしれませんが、本人は嫌がっていることを
10人がかりで、楽しいはずと決めつけられ、社交的じゃないと
言われたほうの気にもなってあげてください。

そして何かをしてもらった人、誘われた人は、どんな気持ちでしてくれているか考えましょう。

それがお互いに理解できた時にはじめて「仲間」になるんです。

そしてもう一つ、絶対的な上下関係のある場合です。

上司や力関係が明らかな場合、上の人間から

「これ、おいしいよな?」「どうだ?楽しいだろ?」と聞かれて

Noと言えるわけがない

ということを忘れないでください。

それを真に受けて、「俺は後輩を楽しませている」と
とんでもない勘違いをしている人が非常に多いんです。

くれぐれも恩の押し売りには気をつけましょう。

最後に、恩を恩と感じない若かりし頃の私のように
こちらが良かれと思っていることをストレスを感じる人間もいます。

上司と呼ばれる方などは、見返りを求めない奉仕の心で温かく厳しく育ててやってください。