歌と笑いと話のテクニック(笑い編)

鉄板ネタなど存在しない

まず、歌と笑いと話のテクニック(歌編)で書いたように、私は歌のプロでもなければ笑いのプロでもないので、あくまでも、それらを基準とした「しゃべりの考え方」の問題ですので、お笑い関係の方はあまりツッこまないでくださいね。

まず、「すべらない話」などで聞くおもしろい話は鉄板ネタなのでしょうか?

当然違いますね、別の人間がしゃべればつまらない話にもなるでしょう。

つまらなかったネタも他の人がしゃべったら面白いかもしれません。

また、その日のお客さんの空気もあるでしょうし、その話を寄席などの年齢層が高い客層の前でしゃべったら、しゃべり方はもちろん、話の構成さえ若干変えなくてはなりません。

つまり世の中には鉄板ネタなんてないのです。

M-1グランプリのような決められた時間内での漫才などは4分という持ち時間があるので、ある程度時間通りにネタをきっちりやらないと終わらなくなってしまいますが、通常、漫才や落語には「まくら」とよばれる最初のしゃべりを入れることがほとんどです。

「いやー、いい天気ですね、今日ここに来るときにね・・」
という感じに、ネタではない話をして軽い笑いを取ったりするアレです。

これは会場の空気感や年齢層などを見ながら、今日はどんな感じでやろうかというさぐりをしているんですね。
このことに関しては、松本人志さんのラジオ「放送室」などでも
「まくら=チューニングである」と同じことを言っています。

これをビジネス的に言うと
マーケティングリサーチということになりますね。ビジネスではもちろん企画段階でこれをおこなうわけですが、営業ひとりひとりがお客様個人としゃべる時も、これは必要な部分なんです。

そして、「すべらない話」で言うところのネタ
ビジネスで言う販売マニュアルという感じですかね。

当然客層に合わせて話を微妙に変えなければいけないのです。
最初に相手がどういう人かを判断し、基本マニュアルのどこを引っ張り出して、どこを削るか、どういう順番で、どういう口調でしゃべるかを構成します。

求められた仕事をどうこなすか、場面によって自分自身(持っている技術)をどうアレンジするかということになります。

実は稼いでいるあの人

ここでお笑いに話を戻すと、最近テレビで見なくなった芸人さんを売れなくなった芸人さんと判断してしまう方も多いと思いますが、その中にもものすごく稼いでいる方もたくさんいます。

それは舞台であったり、ローカル番組やケーブルテレビ、ラジオなど違うステージで活躍してたりするからです。
それはつまり客層やクライアントに合わせた的確な仕事をしているからオファーが来るのです。

その時、その場所のお客様が何を求めているか考える。
つまりマーケティングなんですね。

的外れなことをやっていればどんな業界でも淘汰されていきます。
しゃべりひとつひとつも、マーケティングが必要なんです。